距離感 あるいはアオイトリ

ある程度近づきたいと思った。でも「どの程度」かはわかってなかった。
人から距離感を教えられた。でもそのものさしは結構ずれていた。
そのことに気付かなかった僕は、そのものさしを信じて、ものさしの指す先へ行こうとした。
いや、行こうとしてなかったかもしれない。でもそんなことはどうでもいい。
最終的に指し示された場所に行くことはあきらめた。受動的にだけれど。
ちょっとして「なんか違う」ということに気付いた。きっと能動的に。
それでずっと立ち止まってた。なんとなく。
ちょっと周囲を見回してみる。後ろの方も見てみる。前の方も。横も。上も。
そして気付いた。
ああ、ここだ、と。
僕が「どの程度」近づきたかったか、その答えはここだった、と。
だから進むでも戻るでもなく立ち止まったんだ、と。

まぁ、ちょっとゴールの違う青い鳥のお話ですね。